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キャンプマットの種類

「キャンプ用マット」と一言でいっても、さまざまな種類があります。筆者が住むアメリカでは「スリーピングマット」と呼ばれていますが、その種類は大きく分けると、昔から根強く人気の「ウレタンマット」、家のエクストラベッドとしても使われる「エアーマット(エアーベッド)」、寝心地を格段にあげる「インフレータブルマット」の3つですが、それぞれの特徴は…。
1.ウレタン(銀)マット

昔から使用されている登山の定番アイテム「ウレタンマット」。有名なモノはサーマレストの「蛇腹銀マット」ですが、今は厚さやR値(断熱力)の違いでさまざまなモノが発売されています。ウレタンマットの一番の特徴は軽量で設営が簡単なところ。ですので、登山など荷物を極力減らしたいアウトドアスポーツ向きのマットです。
メリット | ■設営・撤収の手間がない ■耐久性がある ■軽量 ■低価格 |
デメリット | ■厚みの限界がありゴツゴツしているところでは背中が痛くなる ■地面の冷たさ・温かさを感じやすい ■嵩張る |
2.エアーマット

空気をいれてベッドにする「エアーマット」。「エアーベッド」ともいわれ、家で来客者用に購入している人も多いタイプ。空気の入れ方によって寝床の硬さを調節でき、大きさや厚さの幅が広く、自分のキャンプスタイルに合わせて購入しやすいマットです。
ただし、空気を入れるための道具が必要で、設営まで時間が要するものが多く、穴が空くと使用できなくなる恐れがあります。種類によっては、二重構造でパンクに強いモノや、素材がベロア調で触り心地がよいモノもあり!
メリット | ■寝床の硬さをある程度調節できる ■コンパクトで軽量 ■低価格 |
デメリット | ■設営・撤収が面倒 ■空気を入れる道具が必要 ■硬い寝床が好きな人には柔らかすぎ |
3.インフレータブルマット

近年人気上昇の「インフレータブルマット」。エアーマットの派生的なマットですが、中に断熱材が入っているため、エアーベッドほど柔らかくなく、適度な弾力があります。バルブを広げると空気が自動で入るため、設営にさほど時間を要さないところも魅力。(ただし、すべて空気が自然に入らないため、追加で空気を入れる必要はあり)厚みがあり、R値(断熱力)が高いモノも多く、オールシーズンキャンパーにおすすめ。
メリット | ■エアーマットほど設営に時間がかからない ■適度に硬く寝やすい ■R値が高いものが多い ■コンパクトに畳める |
デメリット | ■値段が高い ■エアーマットほどコンパクトにならない ■穴が空くと使えなくなる |
キャンプマットを選ぶときの注意点は?

さまざまな種類のマットが販売されていますが、自分のキャンプスタイルに合わないとそのマットの効果が発揮されません。まずは、自分のキャンプスタイルを考え、それに合ったマットを選びましょう。後半で自分のスタイルにあったマットがどれか、チェックしやすい表を入れておいたので、よかったら参考にしてくださいね。
その1:重量&収納性

オートキャンプでキャンプ場に車を停めてキャンプをする場合は、重量やコンパクト性の優先順位は低くなりますが、登山や公共機関でキャンプ場に行く場合は、重量や収納時のコンパクト性は重要になります。
その2:手軽さ

長期キャンプをする場合は、設営や撤収に時間を割いても高機能なマットで「快眠」を最優先してもよいですが、1泊キャンプを主にする人は、できるだけキャンプの設営や撤収が楽なモノを選びましょう。また、設営や撤収方法がわかりずらいモノは、初心者向きではありません。
その3:R値(断熱性)

近年のアウトドアブランドのマットにはR値を表示しているモノが増えましたが、R値とは「断熱を表す数値」で、この数値が高ければ高いほど断熱性が高く、寒いシーズン向きと言われています。
マットに定評がある「サーマレスト」のR値の目安は…
- R1-R2:夏用
- R2-R4:3シーズン
- R4-R6:オールシーズン
- R6- :極寒
実際筆者も、R値が違うマットを持っていますが、やはりR値が高いものは、地面からの冷気が伝わりずらく、自分の体温でマットが暖かくなるため、R値が低いモノに比べると格段に寝床が暖かくなります。
その4:価格

どの商品もそうですが、ハイスペックなモノは値段が高くなります。自分のキャンプスタイルで何が重要かプライオリティを決め、自分の予算にあうモノを選びましょう。
その5:耐久性

登山など石や岩などゴツゴツした環境で寝る場合は、耐久性も重要です。空気を入れるエアーマットやインフレータブルマットは穴が空く恐れがあるため、空気を入れないタイプのモノがよいでしょう。
その6:寝心地

寝心地も重要です。ベッドの硬さの好みは十人十色で、固めが好きな人もいれば、柔らかいフワフワの寝心地が好みの人もいます。可能ならば店頭で寝心地を確かめて購入するのがよいでしょう。
キャンプスタイル別おすすめキャンプマットは?
上記を踏まえて、キャンプスタイル別おすすめのマットをまとめると…。
ウレタンマット | エアーマット | インフレータブルマット | |
ソロキャンパー | ◎ | △ | ◎ |
デュオキャンパー | △ | 〇 | ◎ |
家族キャンパー | △ | ◎ | 〇 |
リーゾナブルキャンパー | ◎ | 〇 | △ |
連泊オートキャンパー | △ | ◎ | 〇 |
フォーシーズンキャンパー | △ | △ | ◎ |
筆者が実践するシーズン別マットの活用方法

筆者は冬もキャンプに行くオールシーズンキャンパーですが、シーズンによって持って行く寝床ギアを変えています。
マットの断熱性(R値)は足し算することができ、たとえばウレタンマットの上にインフレータブルマットを敷くと、その2つのR値を足した値の断熱性になるため、夏はコット+寝袋、春・秋はコット+インフレータブルマット+寝袋、冬はコット+ウレタンマット+インフレータブルマット+寝袋を使用して、その時の気温に合わせた寝床作りを試みています。
タイプ別おすすめキャンプマット6選

キャンプマットも日々進化していますが、その中でも私がおすすめするキャンプマットとは・・・。
1.ソロキャンプ向きマット


Xスモール、スモール、レギュラーと3サイズあり、自分の体形に合わせて購入できる軽量でコンパクトなシートゥサミットの「ウルトラライトインサレーティッドマット」。
一番大きいレギュラーサイズでも収納時は約10x23㎝、480gと500mlのペットボトルほどのサイズ。丈夫な30/40Dナイロンファブリック素材で抗菌トリートメントを配合し、内部のカビ増殖を抑制。いざというときの補修パッチとスペアバブル付属で応急手当グッズも充実。荷物を減らしたいキャンパーにおすすめです。
2.リーゾナブルでワイルドキャンパー向きマット

51x130㎝のスモールサイズは290gと超軽量で表面にアルミを蒸着させ、断熱性をアップさせた3シーズン用のサーマレストの「Zライトソル」。
アコーディオンのように折り畳んで収納でき、広げるのも素早く、設営、撤収が簡単。ベッドマットだけでなく、登山などアウトドアスポーツの休憩時のシートとしても使用できます。

3.高コスパ!オールシーズンキャンパー向きマット

自動膨張式でR値6.0のハイスペックですが、リーゾナブルなオールシーズン使用できるサーマレストの「ベースキャンプ」。
厚さは5㎝と適度にあり、地面からの冷気や凹凸を緩和。レギュラーサイズは1140gとさほど重くありませんが、収納サイズが54x22㎝とコンパクト性には欠けているため、オートキャンプ向き。コットの上に敷くにはちょうどよいマットです。

4.家族キャンパー向きマット

シングルとダブルサイズがあるコールマンの「キャンパーインフレータブルマット」。
約200×128㎝の大きめのダブルサイズは厚みが10㎝あり、家族3人が川の字で眠ることができるほど広く快適。自動膨張式ですが、追加エアーは収納ケースで入れられます。インフレータブルマットの中ではリーゾナブルですが、空気を抜いた収納時でも結構な大きさがあるため、オートキャンプ向き。


5.とことん快適な寝床を追求したい人向きマット

家のベッドよりも快適ともいわれる、ラグジュアリーなエクスペドの「メガマット10」。
10㎝の厚みがあり、表面はストレッチが効いた起毛素材で触り心地も抜群。底面は75デニールのポリエステルで耐久性も高く、R値も高いので地面の冷気や凸凹の影響を受けにくいマットです。レットとグリーの2色ありデザイン性が高いのはもちろん、5つのサイズ展開があり、自分のキャンプスタイルに合わせてサイズを選べる点も◎

6.写真映えする連泊オートキャンプ向きマット

家での来客用にも使える極厚なインテックスのエアーベッド「ツインコンフォート」。
高さが33㎝あり寝転びやすいため、足が悪い人や年配の人も使用しやすいマットです。内部構造にDura-Beam技術を採用し、エアーベッドですが弾力性を実現。コンパクトに畳めますが、空気を注入する手間があるため、連泊キャンプ向き。掛け布団をペンデルトンなどおしゃれなブランケットを使用するだけで、インスタ映えします。

キャンプの「睡眠の質」はマットのスペックが左右する

技術の進歩でマットのスペックは格段に上がり、キャンプでも家のように快眠できる寝床ギアが増えてきています。コンパクト性や耐久性など自分がキャンプの寝床で何が一番重要かを考慮。実際に寝心地を試すことも重要です。
自分に合うマットに変えるだけで、キャンプの睡眠の質は格段に上がります。キャンプでなかなかぐっすり寝れない人は、まずはマットが自分に合っているか考えてみましょう。
アメリカ在住のアンティーク好きのキャンパー。JEEPラングラーとともにアメリカの大自然を堪能しています。今はオフロードキャンプにハマり中。愛車がどんどんオフロード使用にパワーアップしています!