冬キャンプのテントを選ぶポイント
テントは大きく分けて、春・夏・秋用の3シーズンモデル、次に春・夏・秋・冬の4シーズンモデルの2タイプがあります。
例えば、暑い夏や気候が緩やかな春や秋は、通気性に優れたテントがおすすめです。冬は通気性を考慮しつつ、テント内の気温が下がらないように、冷気の侵入を防ぐテントが必要になります。
テントは同じように見えますが、実は微妙に異なる点があります。購入時に不明な点などあれば、お店のスタッフさんに確認するなどして間違えないようにしましょう。
冬キャンプ向けテントに必須な機能6選
テントサイズは適切なモデルを選ぼう
ソロやファミリーなど、使用する人数によって選択するテントは異なります。しかし、冬キャンプ用テントとして、気にするべきは”小さすぎず大きすぎず”といった点です。
例えば、ソロだからと1人用の小さなモデルを選んでしまうと、幕が小さく狭いため、暖をとった際に一酸化炭素中毒になる可能性が高まります。逆に家族で「大きな幕の方が広くて最高!」と、オーバーサイズを選んでしまうと、ストーブ類を使ったとしても、幕内の温度が上がりづらく、とても寒い時間を過ごすことに。
ソロであれば2名がゆったりできるサイズ、ファミリーであれば使用人数にプラス1〜2名のサイズを目安に選ぶと、温かく過ごしやすいでしょう。
テント生地はTCやコットンがおすすめ
暖房の効いた部屋の窓に水滴がついていることがありますが、テントもこれと同様の”結露”といった現象が起きます。テント内の水分が、寒い外気温で冷やされて水滴となってテント内面につきます。
結露が酷いと雨のように水滴が落ちてきたり、なかなかテントが乾燥できず、撤収に時間がかかってしまいます。
こればポリエステルやナイロン生地のテントによく起きる現象であり、コットンを含んだTC(ポリコットン)やコットン生地ではあまり見られません。
しかし、どちらの生地でも、生乾きだとカビが発生する要因となるため、結露が発生した際は、水分をよく吸い取るマイクロファイバー系のタオルを用意しておくと良いでしょう。
冬キャンプに適した構造・仕様となっている
おすすめは天井が高くてベンチレーションが4ヶ所以上あり、ダブルウォールで前室が広い2ルームタイプ。インナーはフルクローズタイプを選び、全面&一部がメッシュのタイプは避けましょう。これで幕内の温かさを保ちやすくなります。
また、ティピー型テントだと雪が降っても積もりづらく、ベンチレーションが頂上付近にあるため、吸気口が雪で塞がれることもありません。天井がフラットなタイプは降雪時に雪が積もりやすいため、冬季は特に注意が必要です。
ベンチレーションはついているか
冬用テントは特に換気機能があるかが重要なポイントです。冬季は幕内でバーナーや暖房機器を使用するキャンパーも多く、一酸化炭素中毒の事故が後を絶ちません。
これらの事故を未然に防ぐためにも、テント上部や下部に数カ所のベンチレーションが装備されているモデルを選び、常に換気を心がけましょう。
※テント内でのストーブなどの燃焼機器の使用については、各メーカーへお問い合わせください。
冷気を遮るスカート付きを選ぼう
3シーズンモデルと4シーズンモデルの大きな違いは、このスカートの有無です。冬季は地面とテントの隙間から冷気の侵入を防ぐために、テントの裾に15cm幅程度の生地が付いているモデルを選びましょう。
なお、ストーブなどの燃焼機器を幕内で使用する際は、スカートの一部を開けるなどして、通気性を高めて換気を忘れないように注意しましょう。
煙突穴付きの幕で暖を取ろう
パップテントやティピー型テントには、煙突を通す穴が装備されたモデルが多く、薪ストーブで暖が取れるようになっています。
なお、今季登場したtent-Mark DESIGNSの薪ストーブでは、外気を取り込むためのパイプを本体に装着しており、テント外から酸素を直接取り込むため、一酸化炭素中毒になる可能性は限りなく低く、テント内でも安心して薪ストーブを使用することができる。
冬のテント泊に必要な装備5選
冬キャンプ泊を快適に過ごすためには、テント以外にも冬季に適したギアの投入が必要です。ギアが揃えられない場合は、ちょっとした知識で快適に過ごすこともできるため、是非参考にしてみてください。
限界使用温度が低いシュラフ(寝袋)がおすすめ
シュラフといえばナンガやモンベルといったブランドが広く知られていますね。タイプはマミー型や封筒型が多く、素材は化学繊維かダウン素材が採用されています。どちらの素材も保温効果は大きく変わりませんが、以下のような違いがあります。
ダウン素材
メリット:コンパクトに収納できる
デメリット:価格が高い・濡れると保温効果がダウン
化学繊維
メリット:ダウンと比べて価格が安い
デメリット:収納時のサイズが大きく場所をとる
種類が多く分かりづらいですが、さらにシュラフには季節に応じたモデルがあります。モデルごとに”快適温度・限界温度”が表記がされており、この表記はメーカーによっては異なる場合もあります。
冬季用のシュラフを選ぶ際に注意する点
快適温度:この温度域であれば温かく快適に眠れる。
限界温度:この温度域は快適ではないが工夫次第で使用可能
選ぶ際はメーカー公式サイトや商品タグに記載されている温度に、+5℃程度を目安としておくと良いでしょう。
参考イメージ例
メーカー表記温度 | 快適温度 0℃ 限界温度 -10℃ |
実際の体感温度 | 快適温度 5℃ 限界温度 -5℃ |
なお、体感温度は人ぞれぞれ異なるため、購入時は店頭でしっかり確かめてみよう。
R値の高いマットで冷気をカット
ブランド 商品名 | “サーマレスト Zライトソル R” | “サーマレスト ネオエアーXライトNXT R” | WAQ インフレーターマット |
R値 | 2 | 4.5 | 6 |
重量 | 410g | 354g | 2500g |
価格 | ¥9,900(税込) | ¥39,600(税込) | ¥6,980(税込) |
背中からくる冷気をカットしてくれるのが、クローズドセルマットやインフレーターマットです。地面やコット下からくる冷気は意外と体への負担が大きいため、これらマット類は必ず準備しましょう。
選ぶポイントはズバリ”R値”
主流のR値:2.0〜6.0 ※市販モデル
数値が高いほど断熱性能に優れていますが、材質によっては収納時に軽量コンパクトにならなかったり、また強度が低く穴が開いてエア漏れしたりと一長一短です。
寝心地なども重要ですが、冬季は冷気をカットできないと眠れないため、しっかり断熱性の優れたマットを準備しましょう。準備が間に合わなければ、段ボールの使用をおすすめします。以外にもR値が3.0程度あるため、数枚敷くだけでもかなり効果があります。いざという時は試してみましょう。
コットで地面から距離をとる
冬季は外気温よりも”地面からの冷気”がもっともキツい。ストーブで幕内を暖めていても、地面から伝わってくる冷気は防げません。就寝時は地面から距離をあけ、間にマット類を敷くなどが必要です。
ベストな対策
”地面→グランドシート→ギアケースなど荷物類→ハイコット→マット類→シュラフ”がおすすめ。
”湯たんぽ”は経済的で効果も長い
湯たんぽは場所を取らず、経済的かつ安全に暖が取れます。冬キャンプアイテムとして人気が高く最近ではモバイルバッテリーで温まるタイプもあります。※低温やけどには注意しましょう。
ストーブなどの暖房機器を導入する
冬季のキャンプを快適に過ごすためには、もはや必要不可欠な暖房機器。キャンプなど屋外での使用は推奨されていない暖房機器がほとんどですが、最近ではメーカーが指定した条件をクリアすれば、屋外やテント内でも使用できるストーブ類が増えてきているので、使用人数や用途にあわせて選んでみよう。
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あると助かる冬キャンプ万能アイテム
ポータブルバッテリー
気温が下がるとバッテリー性能もダウンするため、スマホのバッテリーも意外と減っていることに気がつくはず。さらにキャンプ地は電波状況も悪い場所も多く、電波をキャッチするためにさらに電力を消費するため、モバイルバッテリーやポータブルバッテリーは、いまやキャンプに必須かもしれませんね。
ホットカーペットや電気毛布
小さなお子さんがいるファミキャンだと、幕内での燃焼機器の使用は厳しい場合もあります。そんな時はポータブルバッテリーとホットカーペットなどを敷いてみるのもオススメです。
サーキュレーター
実は万能なアイテム「サーキュレーター」。冷房や暖房の使用時に合わせて使うと、すばやく効率的に部屋や幕内を快適な環境にしてくれる。また、雨天時は部屋で洗濯物を乾かすこともでき、年中使用できる便利アイテムです。
充電式カイロ
スイッチオンから3秒でポカポカの充電カイロ。連続10時間以上暖かくて温度も3段階に調整できる。さらにモバイルバッテリーにもなるため、いざという時に便利なアイテムです。寒さで悴んだ手を温めてくれます。
しっかり準備して初めての冬キャンプを満喫しよう!
夏のキャンプと違い、なにかと荷物が増えがちな冬キャンプ。シュラフや暖房機器など揃えるのはハードル高いって方は、まずはレンタルから初めてみるのもオススメ。苦労した分、夏と違った景色や美味しいキャンプ飯にありつけるはず。まずは準備を整えてキャンプへ出掛けてみましょう!
皆さん初めまして、CAMPLUS編集部のTakamotoです!最近のキャンプブームもあって、新しいプロダクトがたくさんリリースされて、もうワクワクがとまらない毎日です♪編集部では最新ギアの紹介を中心に紹介いたしますが、スタッフが自腹購入したギアレビューなんかも書いてくので、お時間ある方は是非見てくださいネ!