保冷剤とは?

保冷剤とは食べ物や飲み物を冷やすためのもの。アウトドア向けのものから食品購入時に付けてくれる小さなものまで様々。種類としてはハードとソフトの2タイプがあります。
なお、保冷剤は使用回数によってケースも液体も劣化します。液漏れや再凍結しなければ、買い替えタイミングと考えよう。
ハードタイプ・ソフトタイプの2タイプ

どちらのタイプもケース内に水を主成分としたポリマーやゲル化剤などが入っており、これらを冷凍庫で再凍結させたものをクーラーボックスに入れることで、飲み物や食材を保冷することができる。
保冷剤は目的に合わせて使い分けよう
保冷剤には冷やすものによって冷却温度の異なる2タイプがある。野菜やパン類など”凍るとダメ”なものは0℃タイプ、肉や魚など低温での保存が必要な食材は氷点下タイプがおすすめだ。
しかし、ここで注意してほしいのが「食材が凍る」トラブル。キャンプ場に到着後、すぐに調理する場合は氷点下タイプの保冷剤から食材を離しておかないと肉や魚が凍ってしまい、食材が自然解凍されるまで待たなければいけなくなる。これだと楽しいキャンプ気分も台無しだ。
特にお刺身などすぐに食べたい食材や野菜は、氷点下タイプの保冷剤からは離して保冷しておこう。
保冷剤の見分け方

氷点下タイプの保冷剤は「マイナス◯℃!」などと表記されていることが多い。逆に0℃タイプは温度表示されていないことがほとんど。気になる方は保冷剤の裏面などの仕様を確認してみよう。
0℃タイプの特徴
- 再凍結時間6~10時間程度と短い
- 価格も安く100均などでも入手可能
- 保冷時間は半日程度
※再凍結時間:保冷剤を冷凍庫に入れて凍るまでの時間です。
氷点下タイプの特徴
- 再凍結時間12~48時間程度とかなり長い
- -16〜-5℃前後の強力な保冷力!
- クーラーボックス内を半日以上0℃以下に保ちます
※保冷剤の量やクーラーボックスの性能により異なる場合もあります。
0℃タイプは凍るスピードは早いが、半日持たずに溶けてしまうため、まずキャンプではおすすめできない。対して氷点下タイプは凍るまでの時間はかかるが、長時間0℃以下を保ってくれるのでキャンプ向きといえる。
最近では再凍結時間が8〜12時間程度で凍る氷点下タイプもある。記事後半で編集部がおすすめする保冷剤を紹介するので、よければ参考にしてほしい。
クーラーボックス容量に対して保冷剤はどれくらい必要?

クーラーボックス容量の1/4程度がベスト。しかし、クーラーボックス性能や保管場所、さらにクーラーボックスの開閉回数などにより保冷能力が低下することも考えられるため、気になる方は少し保冷剤を追加すると良いだろう。ただし、保冷剤の入れすぎはクーラーボックスの重量アップにもなるため、食材など含めて持ち運べる程度にとどめておこう。
参考までに私の使用例<ソフトクーラー編>

スタイル | ソロキャンプ |
クーラーボックス | AOクーラーズ 24パック |
期間 | 1泊2日(車移動時間含み28時間程度) |
気温 | 30℃程度の日陰 |
内容物 | 缶ビール8本、一人分の食材 |
使用保冷剤 | 倍速凍結・氷点下パック:XLサイズ 1枚 COOLER SHOCK Lサイズ 1枚 |
レビュー結果
- 20時間後でもビールはキンキンに冷えていた。
- 28時間後は保冷剤もほぼ溶けたが飲み物はしっかり冷えていた。
レビュー時は冷えていない缶ビールだったため、少し悪い結果になってしまった。事前に飲み物や食材を冷蔵庫でしっかり冷やしておけば、あと2〜3時間は保冷時間も伸びるだろう。

参考までに私の使用例<ハードクーラー編>

スタイル | デュオキャンプ |
クーラーボックス | AOクーラーズ 24パック |
期間 | 2泊3日(車移動時間含み53時間程度) |
気温 | 35℃程度の日陰 |
内容物 | 冷えた缶ビール18本、お茶2L/1本 ペットボトル500ml4本、二人分の食材 |
使用保冷剤 | 倍速凍結・氷点下パック:XL&Mサイズ 各1枚 COOLER SHOCK Lサイズ 1枚・Mサイズ1枚・Sサイズ2枚 |
レビュー結果
- 12時間後に保冷剤もカチコチ状態をキープ
- 24時間後にクーラーショックSサイズが溶けて終了
- 30時間後に氷点下パックM/Lサイズ、クーラーショックMサイズが溶けて終了
※この時点でクーラーボックス内はしっかり冷えている。 - 48時間後にクーラーショックLサイズも溶けて終了
YETIやシマノのようなハイスペッククーラーでないため、そこまで保冷時間は伸びなかったが、結果的には丸二日冷たい飲み物にありつけた。撤収時の53時間後はさすがに飲み物も少しぬるなっていたが満足できる結果となった。

トータルでクーラーショックが優勢

個人的な感想だとロゴスの氷点下パックよりクーラーショックの保冷力・保冷時間ともに結果が良かったように感じる。冷凍食材が少なければ(または無ければ)クーラーショックで保冷時間を優先、冷凍食材やアイスなどがあれば、最低温度優先で-16℃のロゴスの氷点下パック一択ではないだろうか。
これらの結果は、クーラーボックスの性能や食材や飲み物の量に関係するため、あくまでも参考程度に捉えてほしい。
それでは保冷剤の種類など分かったところで、保冷剤の性能を引き出す方法を紹介しよう。
保冷剤を効果的に使って”保冷力”をアップさせる7つの技
1:クーラーボックス内の上下にセット

冷気は上から下側に向かうため、下側や側面だけに保冷剤をセットしても冷えにくい。上側にも保冷剤をセットすることで効率的に冷やせるので是非やってみてほしい。

特に大きなクーラーボックスだと、上側に置いた保冷剤の冷気がなかなか下側におりていかない。下側にも保冷剤を置き上下から冷やすことで、さらに保冷効果を高めることができる。
2:直射日光は避ける

クーラーボックスや保冷剤がハイスペックであっても、真夏の炎天下で直射日光を浴びれば一気に保冷効果もダウン。設営時も含めて可能な限り直射日光を避け、タープやテントなど日除けの準備が整ってからクーラーボックスを設置してほしい。

3:クーラーボックス内は予冷しておく

クーラーボックスに保冷剤を入れ、5~6時間程前から十分予冷しておこう。冷えていないクーラーボックにいきなり食材や常温ドリンクを入れると、凍った保冷剤に熱が吸収されて保冷時間が一気に短くなってしまう。
特に注意する点は常温の飲み物をクーラーボックスに入れないこと。出掛ける前に冷蔵庫でしっかり冷やしておくだけで、保冷力&保冷時間が飛躍的に良くなる。
4:クーラーボックスの中身を整理

飲み物や食材が整理されていないと、クーラーボックスの蓋を開けている時間が長くなってしまい、冷気が外へ漏れ出してしまう。飲み物、食材、冷凍食材などは、いつでも素早く取り出せるよう、常に意識して整理しておこう。
5:クーラーボックスを地面に直接おかない

熱は地面にも蓄積されているため、クーラーボックスを直置きすると地面の熱を吸収してしまい、保冷剤の性能をさげてしまう。

クーラーボックス専用のスタンドやフィールドラックなどを使い、地面との距離をとるよう心がけよう。


6:クーラーボックスの開閉回数を減らす

特にファミキャンだとクーラーボックスの開閉回数が増えてしまいがち。蓋を開けている時間だけではなく、開閉する回数が多いのも冷気が漏れる要因となる。特に飲み物を取り出すことが多ければ、食材用と飲み用のクーラーボックスを別々にすると効率的に保冷効果が高められるので是非試してほしい。
7:クーラーインクーラーで保冷剤の性能を底上げ!

ソフトクーラーに保冷剤と食材などを入れてハードクーラーにインするだけ。これだけで保冷時間がかなり長くなる。冷凍食材の保冷やキンキンに冷えたドリンクが飲みたい方におすすめ。これだけで高級なハードクーラーの性能を超えることもあるのは意外な発見。

