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【保存版】石油ストーブ導入時の注意点14ヵ条&サポートアイテム9点

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camplus編集 投稿者:

ここ数年のアウトドアブームもあってか、秋冬キャンプの準備に余念がない初心者キャンパーも多いらしい。実はそこで頭を悩ましているのが防寒対策。夏と違って冬季対応のシュラフや暖房機器は必須だ。今回は初心者でも手軽に暖を取ることができる石油ストーブ導入時の安全対策から、あったら便利なサポートアイテムを紹介しよう。事前にしっかりと対策をおこなって安全で暖かい冬キャンプに備えよう!

秋冬キャンプの防寒対策

秋冬キャンプの防寒対策イメージ1
撮影:編集部

日中は暖かく過ごしやすいが、陽が落ち始めると急激に気温が下がるのが秋冬キャンプ。特に標高の高いキャンプ場だと11月には氷点下になるほどだ。

そこで気になるのが防寒対策。

”防寒対策”は衣類から食事までさまざま

防寒対策アイテムイメージ
  • テント
    4シーズンor冬季対応テント
  • 服装
    フリース・ダウンジャケット
    防寒タイプのアンダーウェアなど
  • マット/コット
    冷気を軽減させるマットやコット
  • 寝袋 ”快適使用温度”
    秋:3〜8℃前後 
    冬:マイナス5℃〜マイナス10℃前後
  • 暖房機器
    石油ストーブ・薪ストーブ・焚き火
    電気毛布・湯たんぽなど
  • 食事
    おでんや鍋など暖かい汁物系

このように防寒対策には、あらゆる方法があることが見て取れる。今回は昼夜問わず誰でも気軽に暖が取れる方法として、「石油ストーブ」の導入メリットや危険性などについて紹介しよう。

石油ストーブ導入のメリット

薪ストーブ_石油ストーブイメージ
撮影:編集部

テント内で暖を取るにはいくつか方法がある。代表的なのが薪ストーブと石油ストーブだ。薪ストーブは石油ストーブに比べ燃料代が高くなりがちであり、火の管理にある程度の経験が必要なため、あまり初心者向きとはいえない。

対して、石油ストーブはスイッチ一つで点火できる電池点火式を装備。マッチで点火する機種も多いが、どちらも数秒程度で点火できる。さらに燃料代は安く、キャンパーの財布にも優しいと石油ストーブ派が多いのもうなずける。

石油ストーブ導入のデメリット

車載イメージ_石油ストーブ&燃料タンク
撮影:編集部

石油ストーブは構造上コンパクトに折り畳めないため、車載時にかなりスペースをとってしまう。さらに燃料タンク載せるともなると、他のキャンプ道具は全部入るか心配になる。

車載イメージ_石油ストーブ&燃料タンク&他のキャンプ道具
撮影:編集部

特に冬キャンプは荷物が増えてしまうため、事前に車のラゲッジスペースに荷物を積み込んでみて、問題がないか確認しておこう。

最近では出力3.0kW以上のコンパクトな石油ストーブも増えてきているようなので、下記の記事を参考に検討してみるのもよいだろう。

ストーブ導入時の注意するべき14ヵ条

1:宿泊数にあわせた燃料を準備

燃料タンク3種類
撮影:編集部

手軽に暖が取れる反面、ついつい点けっぱなしになることが多い石油ストーブ。地域や季節にもよるが、秋季だと夕刻から7~8時間、冬季は朝方から就寝時まで使用することもあるため、燃料(灯油)はしっかり準備しておくことをおすすめする。

こちらは3人家族のファミリーキャンプ(ドーム型テント)での燃料消費イメージだ。テントサイズや石油ストーブの性能によって燃料の消費量も異なってくるため、上記の数値は参考程度として余裕をもって準備していこう。

なお、燃料の追加購入が必要となった時に困らないために、事前にキャンプ場付近にガソリンスタンドがあるか調べておこう。

2:標高が高いキャンプ場は要注意

石油ストーブの使用可能な標高を確認

標高が高くなると酸素が不足するため、ストーブが不完全燃焼を起こしてしまい、一酸化炭素が多量に発生する可能性がある。標高1000m超えでのストーブ使用は特に注意が必要だ。

機種によって対応可能な標高が異なるため、購入した石油ストーブの説明書を事前によく確認しておこう。

3:ストーブの給油はキャンプ場で

石油ストーブ_燃料補給イメージ
撮影:編集部

石油ストーブに燃料を満タンに注いで出掛けるキャンパーもいるが、これはズバリおすすめできない。移動時に給油口などから燃料がこぼれてしまうからだ。車の中は灯油臭が漂い家族や仲間から大ブーイングなんてこともあるため、ここは面倒であるが必ず燃料は抜き取ってからの移動が望ましい。

車内で灯油がこぼれた時の対処法

まず灯油は揮発するため、窓を開けて換気をする。臭いが残っている場合は、こぼれた場所に重曹やコーヒー粉などを撒いて半日以上置いてから掃除機で吸い取れば、かなり臭いも収まるはずだ。

手についた場合は、サラダ油を手に馴染ませると灯油が浮いてくる。最後に石鹸で油を洗い流せば匂いも残りづらい。

4:ベンチレーター・スカートを開ける

ベンチレーター・スカート開放イメージ
撮影:編集部

テント内でストーブなどの燃焼機器を使用するさいは、一酸化炭素中毒を防ぐために、必ずベンチレーターを開けておこう。

スカート付きのテントであれば、一部を少し開けておくだけで冷えた空気がスカート部から入り、温められた空気がベンチレーターから抜けていく。これだけでも通気性が高まるので是非やってほしい。

5:換気は1時間に最低1~2回

石油ストーブ設置換気イメージ
撮影:編集部

テント内でストーブを使用するさいは、必ず定期的にテントの出入り口を大きく開けて換気をすること。寒くて面倒ではあるが、これを怠ると一酸化炭素の濃度が高まり、数分で気を失って亡くなってしまうことも多い。

必ず1時間に最低1〜2回(1回2〜3分程度)は意識して対応しよう。

6:フロアシートは外しておく

TARAS BOULBA キャタピラー2ルームシェルター BABY02
撮影:編集部

フロアシートは可燃性が高く、ストーブが倒れたさいに燃え広がる恐れがあるため、必ず取り外しておこう。

また、インナーテント内でのストーブの使用は、特に火災や一酸化中毒になる危険性が高いため絶対にNGだ。フロアーシートのない前室に設置するか、シェルタータイプのテントで使用するなどして対応しよう。

7:石油ストーブ前後左右に十分なスペースをあける

反射式タイプであればテント側面に設置できるが、テントへの影響を考慮して、ストーブ天板より上側も1m以上は開けておこう。

対流式は360度全面に熱が広がるため、本体の全方向0.5〜1m程度は空けておき、テントへ熱の影響がないようにしよう。

8:水平で安定した場所で使用する

石油ストーブは水平な場所で使う仕様となっているため、凸凹があったり、傾斜になっている場所で使用すると、不完全燃焼を起こしてしまう。

機種によっては水平器を標準装備しているので目安にするといい。

水平器がなければスマホを使おう

石油ストーブは水平で安定した場所に設置
撮影:編集部

水平器がない場合は、スマートフォンのアプリで水平をチェクすると良いだろう。

9:ストーブ付近に衣類などを吊るさない

石油ストーブ付近に衣類など置かない
撮影:編集部

雨や雪で濡れた衣類をストーブ付近で乾かすのは絶対にダメ、厳禁だ。しっかりと固定していても、突風でテントが揺れたさいに落下して燃え広がることもある。

コンビニ袋やシュラフなども可燃物のため、ストーブ周辺に置かないようくれぐれも注意してほしい。

10:ベンチレーター付近や風があたる場所には置かない

出入り口に石油ストーブを設置しない
撮影:編集部

石油ストーブは風がない屋内での使用を前提に開発されている。理由は風が吹いたさいに不完全燃焼を起こして一酸化炭素が発生するためだ。

テント出入り口やベンチレーター付近は、特に風の影響を受けやすいため設置はNGだ。風のあたらない場所に設置しよう。

11:OD/CB缶など燃料がある付近では使わない

OD:CB缶など燃料前に石油ストーブを設置しない
撮影:編集部

可燃物以上に注意が必要なのが燃料缶だ。取り外したCB缶をストーブ前に置き忘れて爆発なんて事故も実際におこっている。バーナーやランタンで使用するOD/CB缶は、必ずストーブから離れたところで保管が必要だ。

12:テント内で複数の燃焼機器を同時に使用しない

石油ストーブ使用時に他の火器を同時に使用しない
撮影:編集部

「換気もマメにしてるから大丈夫」っと気を抜く前に、少しテント内をチェックしてみよう。ストーブ以外に調理用のバーナーやランタンを使ってないかな?

複数の燃焼機器を同時に使用することで、テント内の酸素が不足してしまい、ストーブが不完全燃焼を起こしてしまうこともある。

暖を取りながら調理が必要な場合は、テント出入り口を開けておくなどの対策が有効だ。

13:就寝時やテントから離れるときは必ず消火

就寝時は石油ストーブを消化する
撮影:編集部

秋冬キャンプでは、夜間の気温が氷点下になる場所も多く、寒いからと石油ストーブを点けたまま就寝してしまい、一酸化炭素中毒になってしまうキャンパーが後を絶たない。

「あとで消すから・・・」と、油断して亡くなるキャンパーも多いため、就寝時は必ず消火を徹底してほしい。

テントから離れる場合も要注意だ。留守中にテント内へ風が吹き込み、ビニールやゴミがストーブに落ちて燃え広がることもある。「これくらい大丈夫だろう・・・」、これが事故のきっかけになることが意外と多いのがテント内での事故だ。

14:低温火傷に注意

石油ストーブ低温火傷

意外と気がつかないのが低温火傷。翌朝なんだか皮膚がヒリヒリしていたというキャンパーも結構いるはずだ。寒いからとストーブ前で暖をとっていると、気がつかない内に低温火傷になっていることがあるため、定期的にストーブを消して外で体を動かすなどして体温を高めよう。

【あると便利!】使い勝手を高めるアイテム9点

ストーブケース

石油ストーブ収納ケース参考

石油ストーブの運搬に便利な収納ケース。傷が付かないよう本体を保護するだけでなく、燃料が漏れたさいに車内が汚れないのでおすすめだ。ストーブに付属されていることもあるが、大半は別売りとなっている。どうせ買うなら気に入ったブランドのケースを別途購入するのもありだ。

漏斗(ろうと)

セリア_アウトドアロート

石油ストーブの購入をためらう理由の一つが”面倒な燃料給油”だ。給油口が小さなストーブだと特に給油がしにくく、注ぐさいにこぼすと臭いが残ってしまうためどうにも腰が重くなる。

そこでおすすめなのが漏斗(ろうと)。給油口が大きくなりこぼしにくくなる。Seriaやダイソーなどの百均で手に入るため、石油ストーブを導入するなら一つ持っておくと便利だ。

”燃料溢れ”のトラブル解消アイテム

燃料補給ロート使用イメージ
撮影:編集部

コールマンのフューエルファネルは、燃料を入れすぎによる”燃料溢れ”を防止する機能も備わっているので、給油が苦手なキャンパーにおすすだ。

熱を反射させる風防

撮影:編集部

対流型のストーブをテントの側面付近で使うのは危険だが、焚き火などで使用する風防を活用することで、即席の反射板効果を得られる。用途によって反射型・対流型を楽しむことができるため、活用しているキャンパーも多い。

出典:コロナ公式オンラインストア


ただし、ストーブを半分以上を囲ってしまうと本体に熱がこもって危険なため、自分のストーブにあったサイズを使おう。画像は『OUTFIELD』の人気モデルSZ-F32の専用反射板となるので参考にするとよいだろう。

五徳(ゴトク)

撮影:編集部

天板部分に五徳(ゴトク)を設置すると、効率的にケトルや鍋を暖めたりスキレット調理も楽しめると利用者が多いストーブカスタムの一つ。石油ストーブメーカーでは推奨されていないため、使用するさいは自己責任で十分に気をつけよう。

調理もおまかせなアラジンの注目モデル

なお、2023年に登場したアラジンの「ブルーフレームクッカー」は、ストーブ天板部分が五徳になっており、鍋など煮炊きができると話題だ。いざという時の”汁受け付き”機構はうれしいポイント。

ストーブファン

撮影:編集部

物体のもつ温度差を直接電圧に変換する「ゼーベック現象」を利用することで、バッテリーなど電源なしでファンを回し、効率よく部屋や幕内を暖めてくれる便利アイテム。

今季注目のストーブファン

FIELDOOR首振りストーブファン
出典:FIELDOOR公式

コスパが良いと評判のブランド『FIELDOOR』からは、斜め上をいく気になる製品が登場。左右45度を自動で首振り、上下は手動だが同じく45度に稼働して効率よくテント内を暖められると話題となっている。ファンガードも付いているため小さな子供がいても安心だ。

一酸化炭素チェッカー

幕内の一酸化炭素濃度に問題があれば、音で危険を知らせてくれる優れ物。一酸化炭素は非常に毒性が強く、無色無臭の気体で空気とほぼ同じ重さだ。そのため気が付かないうちに気を失い、そのまま亡くなるキャンパーも多い。大げさではなく本当にかなり危険だ。

ストーブやバーナーなどを使用するさいは、必ず一酸化炭素チェッカーを幕内に設置して定期的に換気をしよう。

灯油用タンク

撮影:編集部

石油ストーブを使用するには、燃料を持ち運ぶために灯油タンクが必要だ。サイズは大小あるが、5L・10L・18Lが最も多い。ストーブの出力やタンク容量にもよるが、冬キャンプで1泊程度するなら6L以上、2泊なら12L以上入るタンクを準備しておくとよいだろう。

スポイト

燃料すポイント使用イメージ
撮影:編集部

取りきれずに残った燃料であれば溢れることはないが、車内や屋内で長時間置いていると臭いの原因にもなるため、百均で手軽に買えるスポイトで抜き取っておくことといいだろう。シーズンオフ時にも活躍するのでおすすめだ。

ストーブガード

石油ストーブの導入で最も怖いのがテント内での火災や火傷です。小さな子供がいる場合は、誤ってストーブを転倒させてしまう恐れもあるため、火傷防止も含めたストーブガードの設置が望ましいだろう。キャンプでは荷物がかさばってしまうが、大事な家族を守るためによく検討してほしい。

使い方を学べば最高の冬キャンプギア

サーカスTCストーブ使用イメージ
撮影:編集部

キャンプで手軽に暖が取れるギアである反面、使い方を間違えれば危険なギアになりえる石油ストーブ。最近では一定の条件を満たすことで、キャンプでの使用を推奨するメーカーも増えてきているのは朗報だ。今季から石油ストーブの導入を検討しているキャンパーは、上記の14ヵ条でしっかり対策したうえで冬キャンプを楽しんでほしい。

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